ごあいさつ

CPAC 2020
プロフェッショナル ~カテ医としての使命と誇り~

2018年末に世界を揺るがせたパクリタクセルデバイス問題に対し徐々に最新の見解が発表され、議論にもほぼ終止符が打たれたように思います。この問題は年初からのイベントを軒並み中止にさせたコロナウイルスの感染症のように、業界に大きなダメージを与えました。しかし、EVTの世界的権威の医師らによる無作為試験の患者レベルのデータの再調査からは、試験デザインや臨床追跡に関連するバイアスなどの可能性が疑われ、死亡に関して一貫した兆候は認められなかったことが報告されると、世界は落ち着きを取り戻し始めました。これにて我々は自らが信じる治療を心置きなく提供できるようになりました。

しかし、我々はカテーテルインターベンショニストとして、EVTの初期成績を改善させなければなりません。高齢化、欧米化により日々、我々専門医が診る末梢動脈疾患患者は複雑になってきました。冠動脈疾患患者よりも病態や病変の状態が悪く、来院時には「時すでに遅し」である、高度なカテーテルテクニックなくしては治療できない症例が多々あります。どれだけデバイスが進化しても、デバイスに使われるのではなく、高度なテクニックを持つ術者が使ってこそデバイスはその真価を発揮します。昨今、ライブコースでは手技よりもデバイスの進化の発信がメインとなっています。ガイドワイヤの操作、ワイヤが真腔を捉えたかは議論されず、造影上ステントの良好な拡張が認められれば「手技成功」とされ、座長やコメンテーターらによる深い議論のないライブも散見されます。

EVTでもIVUSガイドがようやく浸透しましたが、IVUSの真の意義を理解して、「IVUSガイドワイヤリング」を実行している術者は多いとは言えません。IVUSは真腔、偽腔の見極めはもちろん、偽腔に迷入した時にワイヤがどのポイントから外れたかを観察し、そこからワイヤを取り直して真腔を捉え、拡げるような場合にも有用なモダリティです。末梢血管は血管径が大きいため偽腔で拡げても予後は変わらないという言葉を耳にしますが、それならばIVUSなど最初から使わずにアンギオガイドで手技を終えるべきです。

日本は複雑病変を呈する患者を救うには恵まれた環境です。この国で循環器内科医としてカテーテルを握り、患者を救うと決めた医師は、その環境に感謝し、その思いを患者さんに還元しなければなりません。我々は常にその思いを持ち、日々、切磋琢磨して技術を磨く必要があるのです。

CPACは、「Evidence-Driven」ではなく、「Technique-Driven」のライブデモンストレーションコースです。IVUSガイドEVTの意義、エコーガイド実用性はもちろん、手技がのちのイベントにどれほど影響するかを自ら痛感してきた私自身が厳選した国内最高峰のテクニックを持つ術者に手技をお願いしています。今年は、オンラインでの開催となり、外部の術者をお招きすることができませんが、当院の越田亮司医師と新たに加わった平野敬典医師が中心に手技をいたします。お二人とも経験豊富で技術レベルの高い術者ですので、是非とも我々の技術や経験から多くを吸収して頂けたら幸いです。