第24回 東海ライブ研究会 メイン画像

「デバイスを使い分け、使いこなす」

 

1977年に世界初の経皮的冠動脈形成術(PTCA)が行われて以来、この40年で冠動脈インターベンション(PCI)の技術革新は目覚ましく、テクニックとテクノロジーの進化により初期成績の改善はもちろん、遠隔期の成績も飛躍的に向上しました。

バルーン時代からステント時代、そして薬物溶出ステント(DES)時代へと移行し、適応拡大に伴い複雑化するインターベンションに対応するためのデバイスも登場しました。複雑なインターベンションでは初期成績が患者の予後に大きな影響を与えます。初期成績を向上するデバイスとして、高度石灰化病変に対してはロータブレータ、慢性完全閉塞病変に対しては専用のマイクロカテーテルやガイドワイヤ、分岐部病変に対してはDCA、血栓性病変に対しては血栓吸引カテーテルやフィルターワイヤなどが開発され、本邦が世界の中心となり、これらのデバイスを使いこなすためのテクニックの確立に注力してきました。

また、遠隔期の成績改善には、適切なデバイスを最適な環境下で用いることが重要であるということは言うまでもありません。それ故に我々は血管内超音波(IVUS)や光干渉断層法(OCT)、冠血流予備量比(FFR)をガイド下に最適なステント留置術を行い、至適アウトカムを追求してきました。DES時代となった今、カテーテルインターベンションによる遠隔期の開存率は90%を超えるまでに至りました。近い将来には生体吸収性スキャフォールド(BVS)も登場します。次から次へと登場するデバイスをどのように使い分け、使いこなすかが我々カテーテルインターベンショニストに課された使命となるでしょう。

このような時代の流れを踏まえ、第24回東海ライブ研究会は「デバイスを使い分け、使いこなす」をテーマに開催します。会期の頃には新世代のスキャフォールドを始め、リエントリーデバイス、質の高いFFRガイドワイヤなどが導入されている予定であり、また、DCAも徐々に普及している時期でもあります。インターベンションに使用するデバイスは一歩使い方を間違えると命にかかわります。新しいデバイスを活用するには、用意されたマニュアルだけでは不十分であり、蓄積された豊富な経験が成否を分けます。今回のライブでは、これまでの経験を通して新たなデバイスを実地臨床でどのように活用するかに焦点をあてます。

まだまだ寒さが続く季節ですが、皆様と共に寒さも吹き飛ばすような熱いディスカッションができることを心から楽しみにしております。

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