2022年11月25日(金)20:00~21:30
オンライン開催
 
            症例:症例は70代男性、胆管癌の腹腔内リンパ節転移による下大静脈(IVC)症候群のため重度の下肢浮腫が出現、薬剤の反応も乏しく、IVCにステント留置する方針となった。右大腿静脈からアプローチ、狭窄部をIVUSで確認、マーキングを行い、SMART stent 14.0×60mmを留置したが、呼吸変動による位置ずれを呈し、IVC内に浮遊した状態となった。スネアを使用してガイドワイヤーを内頚静脈のsheathからプルスルーした状態とし、内頚静脈からIVCまで届く長さのLong sheathをステント内に通すことでステントを固定、翌日右大腿静脈から14Frのsheathを挿入、IVC症候群用のステントである~stent 20×80mmを病変部に留置、さらに浮遊したSMART stentを上大静脈で、内側から~stent 20×60mmを留置することで、浮遊したステントの固定に成功し、手技終了とした。
 
            症例:70代女性、10年前にCABG施行の糖尿病性腎症で維持透析中である。1年前に左SFA CTOのRuthford4のCLIに対しEVTを施行。左SFAはDCBで終了も、半年後に安静時痛と再狭窄を認めた。待機的EVTでSFAにEluvia6.0-120を2本、SMART6.0-40を留置し終了したが、TPTの高度石灰化を伴うsubtotal病変が残存し末梢のrun-offの悪いまま終了となった。1週間後に透析中に急激な下肢の安静時痛と血色不良を認め、夕方にALIで救急搬送され、午後5時に緊急Fogerty+EVTを開始した。Fogerty後にTPTの高度石灰化に対し小径のballoonでPOBAやATA/TPT方向でKBT施行も全くindentationはとれず、バルーンのサイズアップやcutting balloon、scoring balloon、wingmanは通過しなかった。CROSSERがTPT方向はpassできたが、その後のPOBAでもindentationはとれず、ATA方向にもCROSSERをpassさせたところ、引いて戻してくるときにstuckし先端が断裂した。Dorsalにdital punctureし、wireをpullthrouhさせ、Anteからwingmanで何度もpushしたところ、stuckした断裂部位が取れて、そのままretoroのsheath内に誘導でき、体外に回収できた。その後も病変部位の拡張は得られなかったが、足背動脈、足底動脈への血流が得られ、午前3時に手技を終了した。
 
            症例:右間歇性跛行を認める60代男性。浅大腿動脈(SFA)のステント内閉塞に対してEVTを施行した。6Frガイディングシースを挿入しクロスオーバーアプローチで手技を開始した。ワイヤー通過後、Hirano domeでdistal protectionを施行し6Frガイディングカテーテルでステント内を繰り返し血栓吸引した。その後、病変全体を5mmのロングバルーンで拡張した。SFA入口付近のステント内に多量の血栓像を認めたため血栓吸引と6mmショートバルーンによる拡張を行なった。造影を行なってみると血栓が膝下動脈近位3分岐まで飛散し血流の低下を認めた。Hirano domeを確認するとアクシデンタルにカフが減圧されていた。前脛骨動脈(ATA)、脛骨腓骨動脈幹へワイヤーを通過させkissing balloon techniqueを施行したが有効ではなかった。そこでバルーンカテーテルを用いてGOGOカテーテルをATA入口部に選択的に誘導し血栓吸引を行なった。これにより血栓塊を除去することに成功し血流の再開を認めた。

 
            症例:70代の女性。糖尿病で近医に通院中だったが、糖尿病コントロール不良のため当院に教育入院となった。入院中の精査で右SFAの閉塞を認め、EVTを施行。同側順行穿刺で治療を行ったが、術中にCFAからSFAにかけて解離を生じ、ステントを留置。その際にステント近位部が血管外に留置された。 冠動脈病変も認めたため、5日後にPCIを施行し、PCI後にCFAのbailoutを試みたが不成功に終わった。 4ヶ月後に間欠性跛行を自覚し、再度当院を受診。エコーでCFAの仮性瘤、ステント近位部の高度狭窄、ステント遠位部の閉塞を指摘され、EVTを試みた。 体表面エコーガイドでステント近位端を穿刺し、CFAから逆行性にガイドワイヤーを進めた。対側からcrossoverさせたガイドカテーテル内にRendezvousし、Externalizationした。そのワイヤーにCrusadeを乗せてステント内まで進め、SFA本幹にワイヤーを進めた。CFAを6mmバルーンで拡張することでSFAにデバイスが通過するようになった。SFAの閉塞についてはガイドワイヤーが容易に通過し、Balloon、DCBで治療を行った。 CFAについてもDCBで薬剤塗布して終了とした。 治療後はABIが0.58から0.96まで改善し、治療の2ヶ月後の造影CTでも開存を確認している。治療4ヶ月後にも跛行症状なく良好に経過している。

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