第27回 東海ライブ研究会

マスターのツールボックス ~匠と凡人の境界線~

 

代表世話人 鈴木 孝彦(豊橋ハートセンター)代表世話人 鈴木 孝彦(豊橋ハートセンター)

「カテーテルインターベンションはアートかサイエンスか?」、古くからこの議論が交わされてきました。創成期のカテーテル治療は技術的な要素が大きく、手技を極めた匠に学べと、全国から多くのカテーテルインターベンショニストがマスターのもとに集まりました。そして、1980年代後半から2000年前半にかけて匠が培った経験とスキルが実践されるライブデモンストレーションの担う役割が大きくなりました。

1990年代に入り次々に新しいデバイスが登場すると、難易度の高くない症例では誰が治療しても同じような結果が得られるようになりました。その後のデバイスの進化により初期イベント率は限りなくゼロに近づき、インターベンションにアーティスティックな要素は薄れ、遠隔期の再狭窄率、そして、イベント回避率に焦点が当たるようになり、サイエンティフィックな観点からカテーテルインターベンションが議論されるようになりました。

しかしながら、テクノロジーが進化したにもかかわらず、いまだ解決されない課題が残されています。それが慢性完全閉塞病変(CTO)、高度石灰病変、分岐部を含む左主幹部病変です。我々はこれらの病変に焦点をあてたライブデモンストレーションを数多く行ってきました。カテーテルインターベンションの技術の多くは伝承できるものです。東海ライブ研究会では、修練を積んだ豊橋ハートセンターの術者がオペレーターとなり、技術と経験を共有し、日々の治療に最適なアウトカムを残してもらうことを目的としてきました。

第27回となる東海ライブ研究会は「マスターのツールボックス ~匠と凡人の境界線~」をテーマに掲げました。複雑病変の治療で危機に直面した時やCTOでワイヤが通過しない時には、オペレーターがどれだけ自らのツールボックスに道具を入れているかで勝敗が決まります。強力なバックアップの取り方、適切なワイヤの選択、シェープのつけ方、ガイディングカテーテルのかけ方など多くのTips & Tricksが存在し、それらをどれだけ知っているかで成功率は大きく飛躍します。匠は難航不落な病変を目の前に使用する適切なツールを見極め、手技を成功に導いていきます。匠と凡人に大きな差はありません。東海ライブ研究会では参加された1人ひとりの術者のツールボックスに多くのツールを追加して持ち帰ってもらうことを目指しています。

今年最初のライブデモンストレーションに東海北陸地区から多くの方々が集まり、活発な議論をしていただくことを願っています。どうぞよろしくお願いいたします。

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